9/25にはたらく人文知という本がでた。Xでは何回か宣伝しているのだが、自分も一部は関わっている本であり、人生で本に関わることが一部でも著者として関わることなんてなかったので、非常に光栄な機会だ。なのにちょっと9/25が投資先のNOTHING NEWの我々は宇宙人の公開日の重なってしまったことにより、宣伝をすることがあんまりできてこなかった。反省。(ただ我々は宇宙人非常に面白いのでぜひ・・まだみてない方は、、映画館へ・・!)
改めてこの本は自分の著者として関わっていると書いたが、正確には書いてはない。2026年の1月にいま人文知の現場はどこにあるのか? 「2020年代の時代精神」を模索する一日。というイベントに登壇した際の1日の記録が素晴らしいライターや編集者の方々によって整えていただいた本だ。なので全て自分の発言ではあるが、自分が実際に書いたことではない。
そもそもここに自分が呼ばれていること自体が謎なのだが、それは呼んでいただた朱さんに感謝。そもそも朱さんの本を元々呼んでいて2025年のIVSというスタートアップのイベントでの登壇を依頼させていただいたところからこの話はつながっている。
そのなかでたまたまその年から自分も人文奨学金などをANRIではじめていたこともあり、そのなかでこのような貴重な機会をいただけたのだと思う。ありがたや。
ただ自分でもそんな院さえも行ってない自分がこの場にいてよいのだろうかとおもっていたが、このはたらく人文知の序文で下記のような記載があり、自分が呼ばれた理由もわかった気がした。
厳密性や体系性を尊重して「論じる」プロの思想家とは異なる、自分の置かれた状況や用途に合わせて自由に「使う」アマチュアの思想家がいていいはずだと考えていたのです。
アマチュアとしてはずっと、このような人文的なものには興味があり読んだり触ってきた自負はある。一方でアマチュアもアマチュアである自信もある。そんな年に数十冊読むわけでもなければないので、本当にアマチュアだがこのメルマガ自体もそうだけれども社会や未来を考えるこのVCと仕事についてからより一層そういった知識や知恵を活用しながら世界を見たいという思いで書いたり投資をしてきている。そういった意味においても今回の著者一覧の中でも一番アマチュアであり素人でもある自負がある。なのでよんでいただけなんだろうなと。
どんな本か?
そもそもどんな本になっているかというと3部構成になっており、人文知のユーザー・人文知の流通とメディア・令和人文主義とはなにか の3部構成である。どの章もも非常に面白いので、書店などでパラパラとめくっていただけると嬉しい。そしてどの章かでも読んでみたいとひっかかってくれたら購入いただけると!
自分は、最初の人文知のユーザーに、著者としては関わっている。どのようにして人文知をユーザーとして使っているのかみたいなことを中心に、なぜ今人文ぽいものに興味があるのかなどについて、いろいろ議論している。2026年に議論すべきなところ、残しておくべきことを記載できた気がしており、本になりまた10年後ほどに見返してみたい内容も多い。
◇第一部「人文知のユーザー」
誰に、なぜ人文知が求められているのか、どのように人文知は使われているのかなどの疑問について対話する。
◇第二部「人文知の流通とメディア」
人文知の新しいユーザーを生み出すための流通のあり方について、人文知を流通させるメディアの特性や、伝え方の戦略について話し合う。
◇第三部<前篇>「2020年代の時代精神」
社会学・心理学から哲学・倫理学へ——「正しさ」に敏感になった時代に、人文知にはどのような可能性と役割を持つのかを考える。
◇第三部<後篇>「令和人文主義とは何か?」
ビジネスに役立ち手軽に摂取できる「ファスト教養」や、知識量を暗に誇示して自らを知的優位に置こうとする「教養主義」の両方を周到に避けた、第三の道としての「令和人文主義」とは何なのか。その実情や可能性について議論する。
ビジネスは今は流行ってないかも
改めてこの本を読んでみても思うが、多分いま2020年代はビジネスが相対的には流行っていない気がする。特に自分が大学生をしていた2010年代と比較して思うのはあの当時はビジネスが流行っていた気がする。この本では自分はNewspicks的実存1という言葉をノリで使っているが、そういった空気があった。
1991年生まれの僕の世代が2010年代に大学生だったときに見ていたのがNewspicksやTechCrunchのようなメディアで、この「自己実現とキャリアアップがつながっている感じ」を一個のテーゼとして信じてやってきた。(はたらく人文知)
さらに少し遡ると、勝間和代2さんが、これからはビジネスパーソンの必須スキル(いわゆる三種の神器)は、「英語」「会計(簿記・ファイナンス)」「IT(プログラミング・コンピュータ)」みたいなことを言ってた時代があったように思う。
今も正しそうだが、実はAIがでてきたことによりこのあたりのスキルは逆に全て不要になっていく可能性も高い時代になってきたのも事実ある。またプログラミングなどでweb2.0的世界観みたいなものも正直夢破れているのが現状な気もしている。
“ビジネス≒合理”への抵抗感がある
最近上記のようなポストを人から教えられたりもしたが、確かにこの数年は特にビジネスがあんまり流行ってないようにも見える。それは本などをみても自己啓発っぽいビジネス書が売り場をみても減ってきているのではないか。10年代はもっと多くの自己啓発があった気がする(それが良いかどうかは一旦棚上げして)
理由はさまざまな要因はあるとおもうが、ロジカルシンキングのようなものがだいぶ普及していき、いわゆるコンサル的なスキルとしてのビジネス書というのは一般に普及していったというのはあるのかもしれない。ある種因数分解して数字で合理的に判断するという信仰は普及しきった。
しかしこれは自分が人文知などに興味を持ち始めたことにも近い話ではあるが、そういった合理的な判断の先に何があるのかがわからなくなってきているのではないかと思う。ビジネス=合理というものを突き詰めれば幸せがあるんじゃないかという幻想の中で生きてきたが、そのビジネス活動もAIによって強制的に考え直さないといけなくなってきている今、ビジネスが今あんまり流行ってないように見えるのではないかと思う。
個人的にはこの文脈においてのヒントがこの本にもある気がしているので、この本のなかでも自分の発言として、”令和人文主義3というマーケットが見つかったことがわかった”みたいなことを書いているのだけれども、今回こういう本がでたりするのも偶然ではなく、社会がなにかビジネス的なものだけでは良い社会というものが目指すことができないかもしれないという気持ちがでているのではないかとも思ったりする。
ぜひそういったことを考えている方には読んでいただきたい一冊であることは間違いないので、手に取っていただければ幸いである。下記Amazonリンクからも購入できます(アフィリエイトリンクではないので、、)
どの業界にも内輪ノリがあるんだと知れた
余談だが、今スタートアップ業界でもM&Aがいいだとか、オーナー企業がいいだとか、スモビジがどうとか、Deeptechがどうとか、ロールアップとか、そういったことが盛んに議論されているが、この1-2年だが少しだけ人文の業界に身を置いてみて、どの業界にも内輪ノリっていうのがあるんだなと思えた。
令和人文主義みたいな論争はおそらくだが、ビジネスシーンにいる人はほとんど知らない気がしている。届いてはない気がする。一方で逆にスタートアップシーンのことも多分届いてない。特にXとかがアテンションに引きづられるようになっていくなかで、自分たちの世界の出来事だけで物事を見るレンズが強化されつづけているような気がしている。(まあこれをエコチェンバーと昔からいっているから当たり前だが。)
しかしこうやって越境的な動きをすることによって、お互いのノリを知れるし世界を相対化してみれることができることはこういう自分が動きをしていて良かったことなように思う。業界歴が長くなれば長くなるほど、その業界のことしか知らない・その業界以外の人と話す機会が少なくなってくるのではないかと思う。そうしたときには何か新しい動きというものは生まれないし、いろんな意味での固定化が進んでしまう。そういった意味においてもビジネスだけで何か物事を考えていく限界みたいなものをずっとこの数年自分は感じているのかもしれないなとこの文章を書きながらも思えた。
「ビジネスパーソンはバカじゃない」が・・
本文中で、ヒチョルさん4などがビジネスパーソンはバカじゃないといってくれている。人文系の方々からすると、資本主義自体含めてビジネスに嫌悪感がある人もいるようだ(あんまり実際には会ったことはそこまでないが)。そのようにここで言ってくれていることはありがたい。
自分もバカではないとおもうが、ビジネスだけを信じすぎているとも思う。これは過去の自分へのブーメランでもあるが、仕事ができてたらいいだろう!みたいな仕事最上主義みたいな生き方をしているとどんづまると思う。もちろん自分の仕事上もそうだけど投資した先の起業家やチームが過度にワークライフバランスを重視していると大丈夫かとは思う。ビジネスのこと以外を切り捨てて仕事する瞬間も大事だろう。
一方で自分の周りはそういう特異なケースが多い。そう言った中でもビジネスだけやっているビジネスは伸びないんじゃないかとおもう。ビジネスパーソンとしてバカではないが、気づくとその自分のビジネスのことだけになってしまう。それはある種のバカの状況かもしれない。決してビジネスを蔑ろにしたほうがいいというわけではないが、意識的にそのビジネス以外のものに関心を伸ばしていくことがバカにならないためにも重要なのではないか。
この本がそういうきっかけの1冊になるといいなと個人的には思うし、そうなりえる一冊だと思う。COTENの深井さんのことYouTubeの話ではないが、ビジネスパーソンというのはこの時代において重要な存在だということは自分も同意している。いま社会を回している主体の大きな力の1つはビジネスであることは間違いない。そういったビジネスパーソンの方々が社会をどう考えるかにおいて人文知というものに触れていくことを期待しているので、ぜひこの本はよんでほしい!!感想お待ちしている。
勝手に自分がつけているだけ。ノリ。Newspicksの方々すみません。何か2010年代的な思想を表す、その時代の特に東京の実存を表すものとして使っている
個人的に2000-2010年代のビジネス思想シーンのインフルエンサーだと思っている。今は家電系インフルエンサーになっている。なんやかんやずっと活躍してすごい
哲学者の谷川さんが提唱した人文知の届け方のトレンド
働く哲学者。友人。どこからそんな体力あるん?っていうぐらい全国にいながら執筆も仕事もしている。ヤバイ。




