自分はなんの仕事をしているかというと、ベンチャーキャピタルの仕事をしている。文章かいたり、動画をつくったり、雑誌をつくったりしてみてはいるけれども、自分の存在理由というのは現状はよい投資をすることに紐づいている。
ただこの数年はなかなか新規投資がうまくいけなかった。GPになってからのほうが苦戦している気がする、自分がやりたくてもやれない投資というのは続いてくなかで、(それはANRIがガバナンス効いているのでいいことではある)久々に新規投資をすることができた。やはり投資をしていると自分が生きていい気がしてきて嬉しい。
説明しずらさが良い
グリーングロースという会社に投資をさせていただいた。どういう会社でいうと一言で説明がしずらい。下記がプレスリリースからもってきた説明ではあるが、まあどういう事業か分かりずらいと思う。
グリーングロースは、既設太陽光発電所の収益改善(蓄電池の併設等)、発電所・蓄電所の開発、電力と環境価値の運用・流通を手がけています
簡単にいうと太陽光発電などの事業として行なっている会社に入っていき、社外再エネ事業部の役割を果たすというJobをしている企業である。まあ簡単にいってもわからない。
エネルギー事業となると、そのエネルギーをどうつくるかとかにおいてある種のテクノロジードリブンな、Deeptechのような企業を想像するかもしれない。例えば核融合や、次世代地熱発電など。グリーングロースはそういう会社ではない。
基本的には既存の太陽光発電の事業をおこなっている会社に入り込んでさまざまな提案を行なっていく会社である。事業やビジネスモデルを説明しても複雑になるし、ここでは割愛するが個人的にはその複雑性があることに惹かれた投資先ではある。
説明しずらいことや、複雑なことは面倒くさい。しかしだからこそ困っていることが多い。簡単でわかりやすい事業は理解しやすいが模倣もされやすい。なんでも複雑にすればいいっていものではないが、一度きいて複雑すぎてわからなかった事業にはすごい興味をもってしまう。グリーングロースもまさにそれだった。最初に聞いた時に、これは興味深いけど、どういう事業なんだ・・!?ということが理解できなかった。DDやっている最中も非常に理解に苦しんだが。
この複雑性に関しては諸藤さんの記事を読んだ時に、すごい感銘を受けたことを覚えている。複雑は基本嫌われるが基本的には世の中や物事も全て複雑なはずで、それをビジネスモデルや売り上げやコストで数字化できてしまうから簡単そうにみえるが、そんなことはないだろうという思いがずっと自分の中ではある。
自分は、複雑なことを複雑なままマネージすることに知的好奇心があり、それを一貫して実践してきました。(https://signifiant.jp/articles/shuheimorofuji-president-4/)
FDEならぬFDS(Forward Deploy Sales)なのでは
この事業を検討したときに、なんとなく思ったことがFDS(Forward Deploy Sales)ぽいなーということだ。そんな言葉ないが、いまFDEという言葉がスタートアップ業界では流行っているのをもじってつけている。FDEはForward Deployed Engineerの略。”顧客の現場に入り込み、その会社の業務の中で自社プロダクトを実際に動く状態にまで仕上げるエンジニア”ということらしい。
つまりはクライアント先に常駐しながら、自社のプロダクトをワークフローやその会社の他の基幹システムなどと繋ぎ込みながら価値を提供していく。そういった複雑なことを解いていくために呼ばれている仕事だという理解である。(まあこの定義もたくさんありそう)
この言葉はPalantirが最初に職種として使い始めた言葉である。流石に哲学者が代表をしているだけあって概念をつくるのが上手い。AIプロダクトとなると、どうしても社内データとの繋ぎ込みや、実際のその社内のワークフローに応じてつくっていく必要性がある。伝統的なSaaSのように、汎用性あるプロダクトを営業して売っていくのとはまた違うスキルが必要となってくる。(逆にいうと汎用的な課題はもうほとんどいろんなSoftwareで解決してしまったのかもしれない)
グリーングロースも汎用的なプロダクトがあるわけではない。さまざまな顧客課題に対して、その顧客にそった提案を行なっていく。これはただのコンサルではないかということもあるとおもうが、実際に電気の運用含めてその顧客の成功に対して責任と付き合う期間が長い。結果ビジネスモデルもコンサルティングとは違ってくる。
SIerのようにクライアントの要望を成し遂げるわけではなく、SaaSカンパニーのように明確なプロダクトがあるわけでもない。しかしだからこそ複雑な課題に対して長期的に取り組むことができる。そういったビジネスモデルが今後も増えてきそうだなとこのグリーングロースを検討しながら思えた。
地方のエネルギーは地方で賄う
代表の河野さんとの会話の中で、長期的には地方のエネルギーの課題はその地方の企業で解決していきたいということを話されていたことが個人的には非常に印象に残っている。エネルギーはいうまでもないが、生活の全てにおいて重要である。さらに今後はAIや安全保障という意味においても共同体の中で自家発電をする必要性がでてくる気がしている。
そういった意味においてグリーングロースは都市部というよりは地方において、強みをだしているし今後も仕込んでいくことが多い企業である。なにかここ数年自分の中で地方というのは大きなテーマになる予感があるが、その予感もこのグリーングロースへ投資をした理由でもある。Futrue is Local という言葉を聞くことも多かったが、そういった未来の実装と地方というのは今後増えてくるのではないかなというぼんにやりとしたものがあるが、またそのあたりは別途考えてみたい。
最後に宣伝だけれども、ぜひグリーングロースはシード調達だがだいぶビジネスとしては下地は出来上がってきている。地方・エネルギーとか含めてそういった重要な課題に対してチャレンジしたい、興味がある人はぜひ一度グリーングロースの話を聞いてみてほしい。
-グリーングロース採用ページ





