自分の中でのペースメーキングとしても、2019年から毎年書き続けている注目領域。毎年だが1年のテーマは変化するので3年ぐらいの予想で、3年ごとぐらいが変化の幅としては面白いんじゃないかなとは思ってはいる。一方で見返すとこの年はDXのことを考えていたなとか、Web3.0一色じゃないかとかその年の雰囲気や空気を自分も見返せるので今年も書いてみる。過去作はこちらから、もう7年目。2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年。
前向きなことを書きたいが、2025年は世界的には不穏な空気が漂っている気がしている。その課題感で投資注目領域もでてくるが、世界としては良い方向性に向かっているのかは不安である。
個人的には2025年は下記あたりがトレンドとしてありそう。
①脅威の拡大に対する対抗
②AIの社会実装
③コロナからの反動の対応
治安維持・防犯tech系
社会としては好ましくはないとはおもいつつ、ネオリベラリズムの結果の経済格差の時代に今は生きてしまっている。そのような時代背景もあるが闇バイト・トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)というものが去年に出てきてしまった。
“2023年の刑法犯認知件数は70万3351件で、前年比17.0%増加した(https://www.nippon.com/ja/japan-data/h01924/)”2002年がピークだったらしいが、2022年からまた増加傾向にあってきてしまう。経済格差が広がれば広がるほど、このような事案は増えてしまうかもしれない。
闇バイトのニュースが流れてから、インターネット含めて防犯グッズ系がよく売れ始めているのはニュースでみており、そういったグッズにおいて例えばAIカメラ系などは起業テーマとしてもありえるように思える。まあ大体手段は多そうだが、、
ALSOCKの綜合警備保障のような会社を今のスタートアップが一からつくったらどういうようなものになるのかというのは良い問いかもしれない。現在5,000億円以上の時価総額(2025年1月時点)がついている。
ホームセンター・カインズFC甲府昭和店(昭和町西条)では、10月21~27日、屋外用のセンサーライトの売り上げが、前年同週比で7倍超に急増。防犯フィルムは同2・8倍、補助錠は同2・5倍、防犯カメラは同2・2倍となった。(https://www.yomiuri.co.jp/national/20241103-OYT1T50033/?utm_source=chatgpt.com)
治安維持(Public Safety)の領域においては、警察向けのサービスMarck43や、海外においてはSpotcrimeなどが有名で、周りでの犯罪履歴がでたりするものもあれば、Flock satetyのようにカメラを設置し、そのカメラで防犯対策・犯罪認知(カーナンバープレートの認識)をしている企業などは調達し、成長している。
銃社会におけるアメリカの犯罪対策と日本の犯罪対策はまた異なってくるとおもうため、防犯のためのサービスや、防犯を促す組織(警察など)に対してのSaaS事業など含めてまだまだこの領域には可能性が存在する気がしており、残念ながらニーズが拡大してしまう可能性がある。
サイバーセキュリティとDefense
続けて脅威の拡大に対しての注目領域とはなってしまうが、年末にJALへのDDOS攻撃など、近くはDMMのbitcoinの事件含めて、サイバーセキュリティに関してはより2025年に注目が集まるとは思う。北朝鮮・ロシア・中国などの国がサイバー攻撃をしているのは事実としてある。(日米被害のサイバー攻撃、「中国背景の集団」と特定 警察庁とFBI)
一方サイバーセキュリティという領域はもう10年ほどずっとホットトピックであるし、海外とくにイスラエルやアメリカなどではスタートアップが多くでてきている。しかし日本においてもまだまだ数は少ない。ただUS含めて向こうのスタートアップがつくったサービスを利用すればいいのではないかという話も正直あるとは思う。エンジニアではないので、自分も詳しいところまでは記事ベースの知識でしかないがエンドポイントへの攻撃含めてまだサイバーセキュリティの診断やコンサルティングっぽく入れるスタートアップはまだまだ必要なのではないかと思う。
また変化としても、**能動的サイバー防御のような議論も進んでおり**(今年の2025年から本格運用開始予定)、防御から攻撃までサイバー空間上では必要性が論じられてているなかで、スタートアップとして絡めるかは正直わからないが課題の緊急度は上がり続けているのを感じている。
そして広義にいうと、防衛関連も脅威の拡大に対抗するという意味においては残念ながら必要になってくる。過去にもDefensetechは日本からあり得るのかで書いたが、日本のスタートアップとしてできる範囲内、スタートアップに限らず日本の企業ができることがどこまであるかはわからない。認知領域/インテリジェンス/ナラティブ攻撃対策あたりは日本でも対応しないといけない課題ではあるとは思う。
Big issue × コンサル or Deeptech
#43 お金の流れを変えるための"Big issue"の提起 というところでも書いたが、スタートアップがチャレンジするIssueが大きくなっていっている。上記でも書いてきたような国防関係や、治安維持などまでスコープに入ってくることができるようになっている。しかしそういったものは大企業ももちろん対応しているわけで、スタートアップとして入り方としては2軸ある気がしている。
ひとつは大企業が追いついてない変化ある分野を活用して、更に細かいところまでケアするコンサルティングっぽい入り方で入っていく方向性。もうひとつは大企業がいまは信じていないテクノロジーを活用し解決する方法である。
後述するAIの成長とともに、全世界的に課題となる電力不足やこの時代の課題の気候変動やなど含めて、Bigissueへの深刻度は今後も増していく。そういった課題にチャレンジするスタートアップは増えていくだろう。日本においてもシリアルアントレプレナーが増えてきたのもの、このあたりのトレンドを後押しするだろう。シリアル与信というBS上での、のれんにおいて資金調達を最初から大きくすることによってこのあたりにテーマの解決に届きうるチャレンジをする起業家も増えていく気はしている。
AIサービス乱立と、現状のテクノロジーで解決できる範囲と実用性の交わる点がでてくる
AIについてはもう2022年の11月30日にChatGPTがローンチされてから、投資含めたトレンドとしてもう語り尽くされたぐらい、いろんな箇所で言われてきたので今回はそこまでこの記事で言及するつもりはないが、2025年も引き続きメイントピックの1つであることは間違いない。
一方でこの2年ほどで劇的に生活が変わったかというとまだではある。一方でChatGPTはこの記事を書く上でも非常に活用しているが、個人の生活でいうとなくてはならないものになっていっている。年末に香川に帰省した際に、中学の塾の先生や中学の友人などが普通に生活で利用しているのをみて、これは普及しているなと思えた。ChatGPTは、YouTubeやTikTok、Googleなみに認知度があるところまでやはりきている。
一方で画像生成など含めてまだ実ユースケースにたどり着いていないところも多いのではないかと思う。一番儲かっているのはAIインフルエンサーみたいなそんなおかしい話がありそうで怖い。ただ見る限り少しずつ現状のテクノロジーで解決しうる実用性が交わる点が見つかりはじめていき、それが外に公表されていくのが2025年なのではないかと考えている。
昨年の後半の1つのバズワード化していた”AI-agent”の議論は今後も続くが、現状はAI-helper止まりであることが多い。これは自分がうまく使えてないだけかもしれないが、能動的にAIを活用しないとまだ使えない。しかしこの労働力が不足していくことが現状は既定路線のこの国において労働力としてのAIは真剣に考えなければならない。
それはカスタマーサポート、エンターテイメント/コンテンツ業界・マーケティング領域あたりからなにか匂いがするが、自分にはわからない。ただAI-agentっぽさまでどこまでいくかはわからないが、技術的にはマルチモーダルなLLMの登場浸透によって、可能になっていく可能性が高い。ただ移行期においてはコンサルティングっぽく関わるのがわかりやすいかもしれない。
この領域で挑戦するスタートアップが増えるのは必然であろう、そうした乱立する中でPMFした企業の兆しが2025年に出現してくることを期待している。
AI-Nativeな生活に必要なもの
AIネタでいうと、AI-Nativeな生活というものを自分のなかではテーマとして自分があげている。それはAIとともに生きる生活するうえでは必要なものや、下準備があるのではないかと思っているからだ。
例えば一例としては、自分の場合はMemというOpenAIが出資しているサービスに、自分が読んだ記事などはどんどん投げたりしている。そうして自分の脳みその外部化ができると、いずれはそのmemに聞くと自分の忘れていることさえも、自分の興味関心の範囲・自分の言い方/イントネーションでコメントしてくれるようになるのではないかと思っている。
#64 AIの起業はハードウェアを創ってもよいかもしれない でも書いたが、そういったAIとともに生きるためのハードウェアっていうのが次のiphoneになりえる可能性はある。2025年以内にそれが出るとは正直思っていないが、下準備は必要だしそういった生活スタイルに切り替えることが今後の生産性に関わってくるのではないかとも思う。
それはAI議事録とかなどもそうだとおもうし、テキストを書く際に自分なりのchatGPTやPerplexityなどのものを使う方法を思いつくとかでもいいのだが、日常にAIを道具としてより使っていく工夫をしていくことによって、AI-naitiveな生活に足りないものが見つかりそれをつくることは一つの起業テーマになりそうではある。
自分もできるならずっと生活を音声が動画で記録しておいて、それをAIにずっと学習させて自分の体験をすべて記録させたものでAIを活用できたらAIの力がより強固に利用できるのにとは思っている。もしかしたらARグラスなどはそういった使い方で広まっていくのかもしれない。ARではなくAIの記録用として。
コンテンツファンドなど、他資本コストの多様化がより出現
去年にスモールビジネスなどふくめて話題が登ることが多かった気がする、自分も#57 なめらかな起業とその敵 においても書いたが、VCというところで働きつつも資本コストが高い存在からお金を預かるのがすべての企業にとって良いかというとそうではない。
Venture debtなどは一つ2024年で大きく市民権を得た言葉であったように、そういった違う資本コストのものが今後も増えつづけるきがするし、増えていくはずだ。エンタメの分野においてはコンテンツファンドなどのニュースは去年あった(アニメ映画に投資資金、みずほ証などが年内にファンド-活性化に一役)
海外を見ると、Hipgnosis songs fundやpophouse(音楽ファンド)Farmland Investment Fund(農地ファンド)などより様々なアセットに対する資本コストを担う存在がある。そういったものが日本においても出始める2025年になるような気はしている。
VCか銀行だけだと息苦しい。多様な資本コストができることが、より多様な未来を創ることに繋がる。そういった意味においてもVCで勤めている身としても変化がより年々迫られてくる感覚はある。こういったことをやろうとしている方とはより話をしてみたい。
アルコール・飲み会のリプレイス
一気にここからは粒度が細かいというか俗っぽいテーマが続くが、コロナを経てからのアルコール・飲み会の需要が減っているように感じる。下記の経産省の報告にもあるように特に若い世代においても飲酒の需要が減っているデータもあるし、実体感もある(自分はもう若い世代とはいえないとはおもうが)
健康ブームっぽさ含めて、また飲酒に関して悪い情報提供がよりなされていくなかで、少しずつタバコに近いものになっていく可能性がある気はしている。一気になくなるなどはないだろうが、少しずつ衰退していく可能性は正直ある。
現在、20代の人の飲酒習慣の割合は7.8%となっていますので、40代以上の世代の若い頃と比べると、飲酒習慣の割合が非常に低く、若い世代は、飲酒回数や飲酒量が少なくなっている(縮小傾向の国内酒類市場;飲酒習慣が市場変化の要因に)
しかし飲み会ではなくとも、対話の場所というのはコロナの反動でより求められている感もあるし、社会に提供していく必要性があると自分は思っている。そういった文脈においてのボードゲームや、マーダーミステリーなどのようなコンテンツは対話の創出になりえている気がする。またシーシャのブームもそういった飲み会のリプレイスの後押しをしていると実感としてはある。
海外の事例をみるとブッククラブみたいなのは1つの対話の場所になっている気がするし、そういった場所が出会いの場所にもなっているような記事もみた。ピックルボールみたいなスポーツもそういった意味をなしているのかもしれない(ピックルボール面白すぎたので誘ってください)
そういったオフライン×なにかにおいての対話の場所創出というテーマではまだまだ時代がそういったものを求めている気がしており、自分も求めているんだろうけど投資テーマとしては気になっている。
デジタルデトックスとつながりすぎた孤独(Hyperconnected Loneliness)対策
一つ前のとほぼ同じようなテーマではあるが、SNS含めたものは成熟化してしまった。今のX含めて時代の空気は正直楽しくはないし、ピリピリしている。誰かがなにかに不満をいい、アルゴリズムがそれを助長し炎上体質なSNSが出来上がってしまっている。特にXはその印象が強い。残念ながら2025年も同様の傾向が続くであろう。人類にSNSはまだ早かった。mixi2には期待しているが、そこに期待するぐらいにはなにかtipping pointを越した気がする。
つながりすぎた孤独(Hyperconnected Loneliness)という言葉があるように、インターネットによって人々はつながった用に見えるが、実際は繋がりすぎた上に孤独を感じやすくなってしまっているのではないかというのはよく言われる話だ。
そのため上記のブッククラブは対話の場所でもあり、そういった孤独対策でもありえることがわかる。日本においてもリアルな場での飲み会などが孤独対策でもあったはずなのに、それさえ消えていくなかでの孤独対策というのはより必要担ってくる気がしている。
新しいのは、ブッククラブが作られる環境だ。アメリカ人はかつてないほど孤独になっていて、アメリカの医務総監は孤独を伝染病と宣言しているほどだ。人々はつながりを求めている —— Z世代はジムや社交クラブに入会し、リタイア後のベビーブーム世代は独自のコミュニティーを築いている。(アメリカのZ世代女子の間で今、流行っているのは「読書会」)
そういったものをデジタルデトックスといいながら、デジタルで解決できる方法もありえるきはしている。closedなSNSなどもそれに当たる可能性はあるし、ライブ配信系というのは少しクローズドな空間もあるしある種の孤独解消にもなる可能性もある。
例えば会員制ビジネスのようなものはもう少し伸びるかもしれない。会員制でコミュニティもあるジムなどは今もあるかもしれないが、そういったものへの注目がより集まる気がしている。例えばそれはesportsにおけるcrazyraccon のようなみんなで集まってゲームをする場所かもしれないし、理想としていたweworkのような概念なのかもしれない。アダム・ニューマンがやっているflowのようなものかもしれない。そういったある種のコミュニティを基軸とした会員制ビジネスというものは個人的には注目をしている。
戻るとスタートアップとしてこの孤独というテーマが解決できるかはわからないが、より今後も例えば高齢者の孤独なども重要な課題であるとおもうし、孤独という課題においての起業もまだまだ可能性があるとは思っている。
自己改造・ルッキズムと付き合い方
身の回りで変化があるとしたら痩せ薬系を使っている人が2024年爆発的に増えた気がしている。そのぐらいプチ整形に近いものっていうのがより普通になってきている。例えばマンジャロなどを打っている人は周りでも多い。食欲抑制する効果があるらしい。
ただそのようなことが悪いとも思ってないし自分もやってみたい。健康に気をつけることは誰しも良いことだと個人的には思う。(健康を意識しすぎて人生を楽しむということを忘れるのも違うとはおもうが)
ICLなどもやってみたいが、そういったもの含めて自己改造への投資というものはより今後も伸びていく気がしている。それは欲が生まれづらい時代・先進国において自分の健康やそういったものへの投資というものにお金がより流れていく気がしているからだ。例えば自分もマウスピースなどをやってみたが、自分の何かが一般的には良いとおもわれる方向に変化していくことは心地が良かった。
ただしばしこれはルッキズムに傾倒していっている可能性もある。前述したSNSが主となった時代にSNS上ではハレの日というか多少加工されているものが多い。そういったバーチャルな主体に対して現実の主体を近づける行為というものは今後も引き続き行われると思う。重複だがその行為自体が悪いわけではないと自分は思う、一方ルッキズムだけに傾倒していく社会も怖い。だがこのあたりはまだビジネス的にはチャンスがあるとは思う。
日本ぽさでいうとバーチャルな主体によりお金を投じていくという方向性はあるとおもう、人類アバター化、Vtuber化だ。メタバースの世界と交わる話だが、そういった自己改造をリアリティある現実ではなく、バーチャルな主体に対してかけていくという方向性はある。NFTなどはそういう意味においては惜しかった。面白い未来では合った気がするが、長い目線でいうとForniteのスキンなど含めてこういったバーチャルルッキズムみたいなのは健全ではないかもしれないが、あるマーケットな気はしている。
日本在住外国人向けサービス
日本に住む海外の方はどんどんふえてきている。”令和6年6月末の在留外国人数は、358万8,956人(前年末比17万7,964人、5.2%増)で、過去最高を更新(出入国在留管理庁)”とあるように、360万人ほどの方が住まれている。それは宮城県の人口が230万人。横浜市が370万人ほどの人口なので、大都市ぐらいの人口は存在する。
今後も人口減少・少子化の前提条件の日本において労働力が不足していくことがある程度みえている。そのなかで前述のAI・ITの力を活用して補っていくか、外国から労働力を補うかにおいてはどちらも進めていく必要性がある。
自分もそういった彼ら彼女らの課題については明るい訳では無いが、今後も増えていくであろうマーケットに対してのスタートアップ的な取り組み方はまだ可能性があるのではないかとは思っている。
ニッチの時代
D2Cあたりから感じていた流れであったが、ニッチな雰囲気がマスに届きうる、もしくはその需要と供給をスムーズに繋げられるようになったのがSNS初めとしたインターネットが達成した功績であったようにも思える。
ニッチという表現が正しいかはわからないが、大資本が再現性をもって投下してなにかを創るというものに飽きてきてしまった時代のように自分は感じている。スターウオーズなどをずっと資本の論理で作り続けたり、原作があるものやヒットの再現性があるものを永遠に出してしまうような資本主義の罠にハマってしまっていることが多い。(半分正解なんだけど)
そこに対してニッチだけど独自な思想をもったインディーズ・レーベルやインディーズ映画が徐々に広がっていく感じがなんとなく実感と予感がある。それはD2Cのような文脈で語られてきた感じはある。この流れはD2Cという言葉がトレンドからは消えているが、今後も不可逆な流れのように感じる。
ありきたりだがそれこそ思想を持った個人がAIの力を活用しニッチななにかをより作成し届けていくことの流れはより期待しているし加速する気がしている。賛否あるが、例えばパルワールドみたいなものはそういったニッチからでたヒットでもあると思う。
今後も各分野において、ニッチの逆襲までいうと言い過ぎだが、小資本で対象を絞ったはずなものが大ヒットするというような現象が起きていく挑戦はあるし、投資もしてみたい。
テーマごとに
スタートアップ・テクノロジー・VCぽいテーマでの2025年についての所感を軽く、、
スタートアップ:M&Aが増え、資金調達自体はゆるやかに減少
スタートアップ全体感としては落ち着いていく感覚はある。悪い話ではなく現実感を帯びたスタートアップ・資金調達環境になっていくだろう。特に10年前ほどからVCのファンドサイズ、投資額が大きくなってきたが、この数年でファンドの満期をどこも迎えていく。そのためM&Aやセカンダリー含めて再編が多く行われていく感覚はある。(まあ誰でも言っていることなので割愛。)
エンタメ:アバター/ショート動画/IP祭り
エンターテイメントにおいてはここ数年スタートアップ・VCともに取り立たされることが多い、自分も注目しているがちょっとOverに期待されすぎている感も最近はでてきた。一方で、Vtuberのようなアバターマーケットも、ショート動画コンテンツ系も含めてまだまだ伸びるのではあろうなとは思う。
TikTok・YouTube shortsの流れは不可逆であるし、IPを創作できる手段がAIによって更に生まれるとしたなららばIP創出したい人たちが多くでるであろう。ただその先にちいかわみたいなのが大量に生まれるわけでもないと思うので、このあたりは2025年どうなっていくのかは考え続けたい。
Crypto:金融資産としての暗号資産の普及と、Web3ゲームの本物がでてくるのか
DeFiはまだまだ浸透していく未来がある。暗号資産は立派な運用するアセットの地位をこの数年で築いた。トランプ政権になり暗号資産に対する緩和が行われればより資産性の普及とともにDeFi周りは伸びる。
もう一つはずっと期待はしているがweb3ゲームにおいてはまだなにかあると個人的には期待している。少し冷めている今だからこそtokenの価値の乱高下に踊らされすぎないゲーム設計ができるものが2025年には出てくる気もしている。
しかし此処から先は最近キャッチアップ自分も正直できてないが、リバタリアン的な・サイバーパンクの文脈でいうWeb3.0・Cryptoの世界観の普及においてはまだ少し遠いのかもしれない。一方で少し引いている今からが本番でもあるかもしれない。個人的には2025年は劇的になにかが起こる気配は感じてないが、仕込みだすには良い時期なので投資も検討したい。
メタバース:Robolox・Fortnite がメタバースだったのか?
インターネット好き勢としては、メタバースの未来にはまだ憧れがあるし早く近づけたい。しかし一時期のMeta含めて勢いは正直ない。一方で妄想上のユースケースではなく、地に足ついた方法としてRoboloxやFortnite上でのコンテンツ開発というのは日本でも多く進んできたし今後も増えるであろう。
VR/AR/MR:ARグラスがVR普及に寄与するかも
Apple vision proがでたのが2024年の6月なので、AR元年なのかもしれない。自分も実際に体験したが、クオリティとしては非常に高いが正直実ユースケースにはまだ対応していない気がする(といっていたらこの前すべてApple vision proで仕事してますって方とあったので、自分の努力不足かもしれない)
VRにおいてはハイプが過ぎてしまっているが、このARグラスのようなものの普及がVRにとっても追い風になるかもしれない。一方で2025年だけをみると正直まだ普及は劇的には進まないであろう。デバイスシフトはVR/ARよりもAI-Naitiveなデバイスシフトのほうが早いかもしれない。
ただApple含めてデバイス開発は進んでいるニュースは日々みるので、どこかでブレイクスルーがある気はしており、日本のスタートアップとしてはそのタイミングを見計らいつつ仕込む時期が2020年代になるのではないかと思う。
自動運転:普及期に入るか?日本でのタクシー実証に期待
今年はじめてUSに行って、waymoの自動運転を経験したがあれはもう実運用に耐えられるレベルまで来ているなと感じた。少なくとも自分の運転よりは上手い。またteslaが完全に自動運転のための車を発表したのも2024年であったと思う。USにおいてはもう普及期にはいるかもしれない。
米Waymo、日本で自動運転実証 GO・日本交通と連携とニュースがでたように日本でも実証実験が始まる。
2025年に劇的に普及するわけではないとおもうが、兆しが見え始めていくのが今年ぐらいなのではないか。そういいつつずるずると2030年ぐらいまで大きな変化がないかもしれないが、個人的には非常に期待している。これが起こるとどうなるかの妄想はまた別でも記事化してみたい。
DX・SaaS:普及進みます
SaaSがだめだとかあるけど、そんなことは正直まったくないと思う。むしろAIを含めてまだまだチャンスがある市場だと思う。一方でM&A含めてよりPEのスコープに入っていく可能性もある。
またValuationという観点においては一時期がつきすぎただけで、今後も真っ当にこのあたりは伸びていくし、将来予想としてはエンタメの意味での面白さがないのでここにあまり書かなかったが、しばらくまだまだ投資本命の1つのテーマであることは間違いない。ただ1プロダクトSaaSですというよりはSIerの要素があったり、ホワイトレーベルっぽさにしたりなどイメージするSaaS企業からは変容していくだろう。
願望部門
こうなったらいいなーという2025関係ないちょっとした願望
面白いハードウェアでないかな
ガジェット好きとしてはワクワクするガジェットがもっとでてほしいRabbitのAIハードなど、AIという技術発展に伴い少しずつワクワクするものが増えてきた気がする。
ソフトウェアに閉じないサービスや事業も自分は好きなのだが、Consumerでハードとソフトがより絡んだものっていうのは興味あるし投資したい。2025年だからかどうかは関係ない。面白いのが見たい。
New city/New mobility/New lifestyle
都市を考えるのは結構好きなので、テクノロジーが変わると都市の姿も変わる。そういったsmartcityではないが、都市の姿を変えるようなもの。例えばLUUPもそうかもしれないが、コンビニを新しくしたらどうだろうとか、自販機を新しくしたらどうなるかとか含めて街の姿を変容するみたいなものがもっと挑戦できたらいいなーとは思う。
トヨタのwoven cityも動いているようだし、地元香川に帰っておもったが少子高齢化で土地がもしかしたら余りゆく国において、リモートワーク・自動運転が進むと安く街がつくれるのかもしれないとも思っている。そういったものは将来的には絡んでみたいし、投資なのかはわからないが期待したい。
Vlogの浸透
podcastがこの数年で普及していった、6年前ぐらいにairpodsが出たときに次は音声コンテンツが来る!!といって投資したが、だいぶズレてしまった。まあ投資はそういうことも多々ある。
なのでいまvlogが来る!!といってももう来てるやんかつ、実際に浸透するまではよりかかるきはするが、企業がpodcastをやるぐらいの感じでvlogを出す未来はあると思っている。
去年始めて自分もvideo podcastをとってみたら、やはり目で見ると届く人には届きリアクションも良かった。Xなどが公の場になっていくとしたら、動画などでclose場所っぽさ、そしてリアル感が伝わるザラザラっぽさっていう意味においてもvlogは良いコンテンツフォーマットだなと長年思っている。
自分も今年はもう少し動画に向き合おうと思う。
2025年もお願いします。
今年も文章はなるべく書いていきたいので、もしよかったらメルマガとか登録いただければ嬉しいです。あとYouTubeもね、、今年は動画ももう少しやりたいとおもっているので、ぜひ登録いただければ幸いです。