ちょっとこちらのメルマガで宣伝が遅れてしまいました。他でも見ている方もいるかもしれないですが、ギャラリーを六本木にオープンしました。
先日オープニングパーティーを行い、アート関係者中心に40名ほどを起こしいただくことができました。そのときに思ったのですが、ギャラリーのセレモニーって社交の場所としてすごくいいなと感じた。飲み会でもなく、お茶でもなくギャラリーという場所がいいのは作品を見るという目的があるから会話がついでになる。そういった場所って結構少なかったりする。これは散歩ミーティングに近い効果もあるなと思えました。
また合う人がいなかったらすぐに帰ることができる。主催者もそこに気を使わなくてもいい。飲み会とかにしてしまうと、終わるまで時間が必要になってくる。そういった意味において、ギャラリーレセプションなどは良い社交の場所になるなと思えました。今後もいろんなアーティストとやるときに人を誘おうかなーと考えてます。
メルマガを登録いただいているみなさまもぜひ、このメルマガでも宣伝していこうとおもってますので、気軽にレセプションパーティーなどお越しください。
他でも載せましたが、ベンチャーキャピタルでなぜギャラリーをやるのかについて自分なりに言語化したものを下記に記載しましたので、ぜひそういったことに疑問を持った方々は読んでいただければ!
問いの重要性
ベンチャーキャピタルは通常、課題(Problem)と解決(Solution)の組を探し、スケールのための資本と伴走を提供する。そうしていろんな起業家と会い投資をしてきた。
しかし2020年代半ばの現実は、問題の方が先に変質し、解決の方が後から追いかける構図になっている。生成AI・防衛・エネルギー・コミュニティ etc.. どの領域でも“何が問題なのか”の定義が曖昧化し、倫理・文化・制度設計が先に問われることも多くなってきたように感じる。
ここで「問う力」そのものが競争力になる。いかに解くかにおいては今後よりAIの発展とともに相対的に価値が下がっていく可能性がある。
そういった問いを持つことが新しい起業家精神により重要になってくる時代になって来ている気がしている。そのようなものを促進していくためにも人文知の奨学金や雑誌などを作成してきた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000040191.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000040191.html
その延長に今回ギャラリーを創ったことに繋がっている。今回Edit room by ANRI として六本木の1Fに小さなギャラリー・場所をオープンさせていただいた。初回は友人でもある松田将英さんに作品を依頼させていただいた。、既存の認識や解釈を揺さぶる手法=「テクノイマジネーション」を用いた作品を得意とする彼がどういう展示をしているかはぜひ現地に見に来てほしい。
問いのためのインフラ
ギャラリーという場所は、問いを産むのためのインフラの1つとして捉えている。自分はアートに非常に詳しい人間ではないが、美術館やギャラリーに行くときに問いを与えてくれる感覚になっていた。それはインターネットで表現できる文字や画像だけでは伝わらないリアルさ・音・触感・匂い・温度・沈黙の共有偶然の会話、時間の伸縮などがある。そういったものを”Edit Room”では作り出していけると嬉しい。
なので今回はギャラリーと書いたが、厳密には貸しギャラリーでもあるし、ただ表現の場所とも言える。アート・作品だけを展示したいわけではない。展示に限らず、編集会・講義・対話・リサーチポスター・プロトタイプの実験など、用途はまだ多く残している。そういった問いを作り出すため、問いを表現するものであればなんでも試してみたい。まだ方向性はわかっていないし、あえて決めていない。
なので名前も”Edit Room”と名付けた。直訳すると編集空間だが、常に変わり続ける可能性があるし、編集中であるということを表したい。ここに来た人たちが何かを感じ取ってくれて、問いが生まれることを期待しているし、そういう人たちと一緒に問いを編むことを期待している。何か一緒にできることがあればお声がけいただきたい。
炭鉱のカナリア
“アーティストは炭鉱のカナリアである”という言葉をどこかで読んで以来ずっと頭に残っている。調べるとこれはアメリカの作家カート・ヴォネガット・ジュニアが提唱したようだ。
炭鉱で有毒ガスの検知にカナリアが使われていた実際の歴史に基づき。カナリアは人間よりも有毒ガスに敏感で、ガスが充満すると鳴き声が止まるなどの反応を示し、炭鉱夫たちに危険を知らせていたことをアナロジーとして、アーティストは現代の炭鉱のカナリアであるという言葉を提唱した。
起業家精神にも近いものがあるのではないかと自分は思っている。世の中がまだ気づいていないが社会にとって重要な問いや課題に対して起業家は事業という形で応えていく。そして相性が良ければベンチャーキャピタルという存在がそこにお金を投資する。
このEdit Roomにおいてもカナリアのような役割が少しでも果たせると嬉しい。作品は事業化に先んじるベータ版のような感覚もあり、展示はまだビジネスモデルの名前を持たない仮説検証の場にもなり得るかもしれない。そこで感じた違和感は早期警報(アラート)であり、違和感が集積される場所は、未来のマーケットを作る粗い地図になる可能性がある。
Changer Capital
ANRIは新しく「Changer Capital」として自らを再定義した。これは単にベンチャーキャピタルの機能を超えて、世界を一変させる次なるChanger・起業家を支援するという意志の表明でもある。その支援のなかにはアーティスト・作家・研究者・起業家など様々な人々が含まれる。
「圧倒的未来」のために私たちが追求するのは、すぐにリターンにつながるわけではない若手挑戦者への支援や、直接利益につながるかどうかではなく、やるべきだから取り組む様々な活動も含んでいる。そしてそれと同時にこういった活動がVCとしてのリターンにも長期で繋がっている自信もある。
起業家が社会を変えていく存在ならば、それを支える私たちもまた、変化を恐れず、自らの在り方を問い、進み続けなければいけない。Edit Roomは、その問い続ける姿勢を空間として表現し、同じように問いを抱く人々が出会い、化学反応を起こす場所にまでいければいいなとおもう。
名称: Edit Room
住所: 東京都港区西麻布 1-1-3 1F
オープン: 2025年9月24日 開廊日時:展覧会開催期間の水曜・木曜・金曜・土曜日 14時―20時 ウェブサイト: note.com/editroom
問い合わせ: [email protected]
毎週やっているタカヤ・オオタさんとのPodcastです。今回はSora2が出た時に収録したのですが、クリエイティブ産業とAIみたいなことについてディスカッションしております。ぜひ興味ある方お聞きください。
世界99というやばい小説を読んだ感想です。結構心にがつんとくるけどすごく面白い小説なのでおすすめです。ぜひ読んでみてください。