#96 2026年の投資注目領域
8作目。。もうはや業
あけましておめでとうございます。(もう3週目にはいるのでもう言わなくなる時期かもしれない)
2026年が始まり、仕事始めると一瞬で正月モードは終わってしまう。正月のあの内省な感じと街が浮かれている感は結構好きなんですがね、、ということで毎年恒例というか、もう誰のためというか、業となっている気はするのですが、続けていくことが重要という感じで今年の投資テーマに関しての所感を書いていきたい。過去作は。2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年、2025年。今回で8作目だ。VC辞めることがあるまでは、出来が悪くても一応続けたい。
この数年はメディア特集など含めて2026年の将来予想みたいなのがだいぶなくなってきた。まあ正直気持ちはわかる。毎回これを書きながら別に将来を予想してもそれどおりにいくことはないし、1年のトレンドなんてそんなに面白くない。エンタメとして面白くするなら10年後や5年後ぐらいのスパンで考える方が面白い気がする。
AIは間違いなくトレンドではあるとは思うが、そこまでみんな考えているのであえてそこまでフォーカスはしない。いままでいろんなテックトレンドはあったが、2010年代が結局スマホシフトがテーマであるなら、明らかに2020年代というのはAIシフトがテーマであろう。「AIが“機能”をコモディティ化する → 選択・差別化が“印象・信頼・体験・共同体”へ移る」みたいな流れはありそうではある。またそのコモディティになること、平準化していくことへの反動としての領域も多くこれからでてくるであろう。
一方で今はVCマネーなどでAIコストが安く利用できているが、例えば勝者が決まってくると必ずコストは上がってくる。そして使う場面が減っていくという可能性もあるかもしれない。Uberなどの戦いを見ていてもわかる。それを考えると色んな意味でAI狂騒な2020年代だったね・・と歴史的に語られるのかもしれない。
全体的な書いていた所感としては、2026年は、AIによる“最適化”が進むほど、反動として 身体性(疲労回復)・場所性(オフライン体験)・意味(スピ)・共同体(共鳴)が価値になる年だと思う。
その上で、世界側の構造変化に伴い、国家・インフラ・CAPEXの重い領域にも資本が集まると考えているというのがざっくりとした予想だ。
疲労回復マーケット
2025年も日本人は疲れていた。疲労は国民病である。またその回復は産業になることが改めて確認できた気がする。世界的に同様に、疲労というものは続いているテーマであろう。それは身体的なものもあれば、精神的なものもあるであろう。現代の人たちはずっと疲れている。多分。。
2026年はリカバリーウェアとシャクティマットが市民権をえた年ではあったのではないか。シャクティマットがどのぐらいいっているかはわからないが。その前年はヤクルト2000とかがその存在であっただろう。
2026年に限らず、ずっとこの疲労マーケットは何かしらある。また投資テーマというか時代のご機嫌を本屋の売れている本で見たりするのだけれども、疲労の取り方みたいなのがずっとテーマとして漂っている気がしている。そこに昨今のSNSなどの逃げ道がない感じからも、疲労がインターネットをみても蓄積され、なにをしていても蓄積されている気がする。逃げ道/逃げ場が必要だ。そういった広義の疲労対策マーケットはまだまだ伸びるだろう。
思えば”なぜ働いていると本が読めなくなるのか”という三宅さんの本もこの疲労に関する本だったと個人的には捉えている。ノイズを切り離した世の中において、ノイズの重要性でありそれは疲労からの回復にもつながる気がしている。
そこでは多分インターネットから離れる、体を動かす、自然に触れる、人と会話する・笑う、何かに没頭するみたいなのがキーワードになってくる気はしている。サウナブームやお笑いブームも、多分疲労対策マーケットにあたるのではないかとも思う。今年もまだまだ日本人は疲れている。そういったものを潜在的に狙ったサービスや事業は伸びていくだろうし、投資は検討したい。
場所性への回帰
前述の疲労にも近いかもしれないのだけれども、疲労の原因の一つはスマートフォンやPCの見すぎであり、そういったインターネットの空気からの印象みたいなのはあるのかもしれないとは思っている。すべてのコンテンツがスマートフォン・画面上で並列に並べられた結果、それに飽きてきているまたそこでのマネタイズの限界がある気がしている。
マッキンゼーの記事(When IP goes IRL:Standing out with location-based entertainment)においても 、IPがリアル世界に進出することが新しい層へのリーチアウトが可能になるのような旨を伝えてくれる。
そういったものを表すワードとしては、Location-Based-Entertainmentみたいなことが去年ぐらいからよく目にするようになってきた。まあただこのタイトルにもつけたが回帰ではあるとは思う。昔はイベントがその場にいかないと体験できなかったものが、インターネットの発展によりその場にいかなくてもコンテンツ体験ができるようになったが、そうではなくそこからの反動として場所性があるもの、身体性があるものを人間が求めていく事になっているように感じる。(ここにHumanityの研究/人文知的な完成が重要になってくるきはしている)
2023年ぐらいにイマーシブコンテンツの流行について自分も触れたが、その流れがまだ続いているような気がしている。そこにおいては疲労にもつながるが、疎外を感じる人間が増えてきているなかで、参加によってその疎外感を取り戻す。一方的なベクトルではなく双方向的なベクトルの参加性があるものがより時代が求めているような気がしている。
明円卓さんなどが発明した、「〇〇展」のようなものが、映画マーケットやNetflixなどのようなマーケットをある種共存もしているし、ネットでの滞在時間を奪うものとして捉えている。そういった現実世界で何をしようという選択肢がもっと増えていくことが必要で、供給が需要に追いついていな気がする。美味しいレストランいく、お茶いく、シーシャいく、カラオケいく、本屋いくなどの既存の体験以外の現実のエンターテイメントや共同体験が求められている。
それはIPコラボのカフェみたいな今までもあるようなこともあるだろうし、よりAIなどを活用した参加性や個別性が高いマーダーミステリーや、ボードゲム的・脱出ゲーム的なものもでてくるかもしれない。
2026年においては、よりこういった現実社会におけるコンテンツというのがより一層増えていく気もしているし、トークイベント的なものももっと増えていく気がしている。
Z世代が選ぶ2026年注目トレンドSHIBUYA109 lab.トレンド予測2026にもスマホなし旅行ということがランクインしているように、そういった体験自体に注目が集まりそう無きはしている。デジタルデトックス・アテンションデトックスとして、一時的にスマホから離れることのできるオフライン体験を通して、スマホでは得られない集中の時間・内省の時間を持ち疲れを癒す行動が増えていく2026年だろうと思う。
複雑性/スピリチュアル的なものが意味の指針となる
2026年はスピと呼ばれるものがより注目を集める年にはなってくるとはおもっている。SBNR(Spiritual But Not Religious)というようなトレンドを目にしたもの去年ではあった。宗教ではないが神秘的なものというのは、特に現代の日本とはぴったしな言葉であるような気がしている。宗教を信じている人が周りをみても多くはないが、自分含めて神社仏閣巡りみたいなものは一般的に行われているし、アニミズム的な信仰はほとんどもっているし、だれかが亡くなったときは仏教的な見送り方をすることに慣れている。
2000年代に入り、インターネットの世紀に入り様々なものが数字で判断されるようになってきた。それはインターネットサービスだと顕著で、すべてのユーザーの動きが数字化できるようになった。何分滞在し、何を選択肢、CVRがいくらでどのぐらいエンゲージメントがあるように見えるかということを知るために様々なサービスが発達していった。
一方で人間というのはそうシンプルにできているのか?合理的に動くのか?というのはそんなことはない。頭いい人が頭よく考えたサービスがユーザーに一つも刺さらないというのは今までも多くみてきた。そのように人間を単純化してきたのがインターネット的な思考であり、そういったすべての行動が予測可能になってくるみたいなもの、単純化してきたことに対する反動みたいなものが起きてきている気がする。
例えば自然の中を歩くとなんとなく気持ちがいい、天井が高い場所は気が良いとか、そういった感性的なものはもちろん科学的に立証することができるのかもしれないが、そういったものではないものに社会として重きをおいてきているような気がしている。これはある種の反知性主義ぽい性格ももしかしたら帯びてきているのかもしれない。なにか今までの信じてきた数字やそういった資本主義的精神から別のなにかを探している感じがする。
ここでエマニュエル・トッドの議論が示唆的だ、エマニュエル・トッドの西洋の敗北においても書かれているが、“宗教的空虚こそ新自由主義の究極の真理”と論じたように、ネオリベ的な世界観が蔓延した結果宗教的空虚が世界中で起きてきてしまっている。彼いわくこの状態は、共通の道徳コードがゼロになってしまうため個人主義の極大化を引き起し、ポピュリズムが台頭し、政治の機能不全を起こしていくだろうということを予想している。そういった指摘もふまえると、トッドが言う「宗教ゼロ状態」は意味のインフラの空白が起きていると読み取ることもできるのではないか。
その意味のインフラの代替の言葉として、スピリチュアリティという概念は使われていく気がしている。
スピリチュアルとは、不確実な世界に“意味・納得・指針”を与える装置の総称であるように個人的に捉えている。
ここまでの議論も混ざってくるが、そういった最適化と抽象化みたいなものが進みすぎた世界観の中で、意味性を取り戻すためには場所や儀式みたいなものが重要になってくる気がしており、そこにスピリチュアリティという概念で説明されることがより増えてくるのではないかと感じている。
2026年はなにかの意思決定をするときに、タイパでもなくコスパ的な数字で還元されることができない意思決定が増えていくのではないか。またそういったものが良い面、悪い面どちらも出てくる気がしている。例えばUSだとBetting市場が伸びているが、それに近いポケカなどもそうだろう。またMBTIなどのような性格診断などのブームも広義ではあてはまるだろう。
このトレンドはAIなどの効率性・合理性が伸びれば伸びるほど、こちらの意味マーケットも伸びていくだろう。そういう意味において2026年にとどまらないテーマでもあり得る。
共同体感覚をえることができるモノ・コト
今まで書いてきたような、流れを踏まえるとで「共同体感覚」というものがより重要になってくると考えている。この言葉を知ったのは嫌われる勇気であり、そこでは下記のように共同体感覚をアドラー心理学をベースとして説いていた。
人生の目標は共同体感覚を得ること。共同体感覚は社会関心であり、他者を仲間とみなし、そこに自分の居場所があると感じられること(嫌われる勇気)
また、ハルトムート・ローザは、近代社会が加速を内蔵し、現状維持のために絶えず成長・革新を続けざるを得ない構造(いわば“動的な安定化”)をもつこと、その結果として世界が手段化され、人と世界の関係が“疎外”へ傾きやすいことを論じている。
そのローザが対概念として置くのが「共鳴」であり、それは単なる気分の良さではなく、世界(他者や自然や仕事や芸術)がこちらに“応答してくる”感覚であり、そこで私たち自身も変化させられるような関係のモードだ。
そして共鳴は、とりわけ他者との関係=水平の共鳴の回路(友情、家族、政治的な場、共同体的な実践)の中で立ち上がりやすい。だから2026年にスピや場所性が注目されるのだとすれば、それは個人の嗜好の流行というより、加速と宗教的空虚のなかで失われた“共鳴の回路”を、儀式や場やコミュニティによって回復しようとする動きとして読むことができる。
そういう意味においても、またバザールとクラブのアナロジーにおけるクラブが求められているような気がしている(バザールとクラブについてはこちらの記事参照)
それが〇〇界隈という言葉のブームにも現れているように感じる。自然界隈や水色界隈などといったように界隈が本当のコミュニティを表す言葉よりもなにかを中心にして集まる、共同体を表すようなイメージになっている気がしている。
そういうことを考えていたら下記のクラブが日本に上陸してくるらしく、このような直接的なクラブてきなものもそうだし、discordのようなクラブもそうだとおもうが、共同体感覚を生むもの、それは宗教もそうだとおもうが、そういったものが2026年はより流行する気がしている。そういった性格を帯びた事業を検討している方ぜひご連絡ください。
ロンジェビィティ/Longevity
海外で少し流行ってきている考え方として、Longevityという概念がある。これは単に長生きというよりは、健康寿命をいかに伸ばせるのかということが注力ポイントのテーマである。
これも個人的には今までの流れを組み、意味の空白が続けば続くほど長く”健康で長生きする”ことだけは、良いのではないかというのがある種正しいし、ある種思考放棄的により信じられやすくなるのではないかと思う。そういった意味において健康そのものへの需要が高まる予感がある。
“老化そのもの”を叩くGeroscienceみたいなものは、細胞の若返りなど含めた分野にUSでは巨大資金がはいっている(例えばNewLimitというスタートアップが巨額の調達をおこなっている)さらに、オゾン療法や血液交換や、NAD+点滴などふくめた科学的根拠の裏付けが薄いメニューも横行されていることには注意したい。
予防医療の分野もまだまだ参入余地はありそうだし、今後予防医療においても診断含めて、会員制・サブスク化するようなものはでてきそうではある。一方この分野は日本は保険制度が手厚いのが素晴らしい一方、その構造でだいぶ決まることも強く、海外に比べると出遅れるかもしれないが似たようなソリューションは求められてくるようになる気がする。
今後のバイオマーカー・デジタルバイオマーカーなどの技術発展とともに、まだこのLongevity市場は伸びそうな予感はしている。
ブロック化する経済と共に必要性が駆られる分野
前述した意味性を取り戻すためにわかりやすいのは、国家という主語を前衛化することは意味性を取り戻すことになる。(この方向性は歴史を省みると危険性も高いが)時代の流れとしてはブロック化してきている政治経済というのは逆らえない流れであろう。
ブロック化していくということはそのブロックの中で経済のバリューチェーン、サプライチェーンを成り立たせていく必要がある。そういった必要性に駆られて伸びる分野は存在するだろう。
SoveringAIというワードがあるように、主権を満たすためのAI能力(データセンターや、ソブリンクラウドなど)はより必要になるだろう。主権を国家単位でAIにおいて保つことは情報統制の意味においても重要になってくる。日本においてもいくつかそれを狙っているのであろうAIスタートアップは去年現れたのも観測している。
それに伴い、友好国で作るサプライチェーンを整える必要がでてきたときにレアアースなどの資源や、半導体など含めて重要鉱物などで何が求められているのかについて理解・把握しておくことは良い起業テーマが見つかる気がしている。
また去年も書いたが今年も防衛関連、経済安全保障がテーマとなるスタートアップはより出てくる気がしているし、そういったものは自分も興味があるのでより投資検討を今年はしていきたい。サイバーせキュティ関連はずっと探しているので、もしその分野での起業を考えている人いたらぜひご連絡をいただければ嬉しい。。また海ドローンやそういったのも気になっている。(海外でいうSaildroneとか)
詳しくは昔自分も記事かいたのでぜひ。
https://note.com/nakaji_memo/n/ne688bf475f1d
CAPEX/先行投資の重いビジネスモデルとVCの結託
VC自体がどうなっていくのかみたいな議論は今回の記事の趣旨とは違うので、考えていることは多いが今回は省略する。その上で、VC投資テーマ全般としてCAPEXの重いビジネスモデルとよりVCが蜜月になっていく気がしている。
まあFintechなどはもともとそういった要素もあるし今更かよという話ではあるとはおもうが、Deeptechなど含めて、VCの意義や好みがそういったものにより向いていく気はしている。
AIによって開発コストが下がっていくなかで、ソフトウェアサービスというのはより競争環境において、どこにコストを投下していくかが今後変化していくのではないかと感じている。以前はソフトウェアをつくるのにエンジニアの人数をかける必要があり、それが疑似的なCAPEXが安くつくれるためVCにしても、投資金額が最初小さくても事業進捗がある場合がおおきかったが、今後はそういったソフトウェア分野は初期コストのお金の必要性が少なくなってくる可能性がある。またはVCから調達するとしたらお金の使い所に工夫が必要になってくる可能性が高い。逆にいうとお金の使い方と伸ばし方の発明ができるとより早く成長することができる可能性が高い。
そういった意味において、前述したデータセンターをつくるようなスタートアップ(HIGHRESOなど)や、店舗ビジネスなど今までスタートアップというものが捕まえていたイメージの拡張みたいなものをVC側も事業側も考えていく必要があるときに、そういったビジネスモデルとVCが結託していくことは増えていくのではないかと考える。
国策と補助金
上記の結託がどいう箇所で起こるかというと、ブロック経済化していき、自由貿易的な経済優位の時代から、政治優位の時代にはいってくとしたら、国と企業の結びつきがより強くなっていくであろう。
補助金周り含めて、特にDeeptechと呼ばれる領域と経済安全保障などが混ざる分野というのは、より注目をあつめていくであろう。以前に#94 高市政権の方向性から考える起業・投資テーマという記事を書いたが、今後も特に政府の入札案件などにスタートアップの名前、VC-Backgroundな企業が増えていく予感と実感がある。
投資テーマとしてもそういった国の方針や補助金の方向性により左右されていく気がするし、根本をいうとアメリカのイーロンがやったような政府そのものを効率化していくようなGovetechっぽいテーマを上げて活躍する企業などはもっとでてきていいのではないかとも思う。
ぜひそういうことを考えている人がいたらご連絡をお待ちしている。
Digital delegation
電通さんの記事で書かれいてたこのワードは、AI-Agentと訳してもいいとはおもうが、この言い方がしっくりきたので引用させてもらった。よりデジタル上の作業においては、AIにtaskをDeligationしていくことが増えていく気がしている。
昨年ビジネス業界のエンジニア以外の職業においてもObsidianやCursorなどが少し流行った気がする。自分もそれにハマった一人であり、#80 階層か、対話か:AI時代のメモを考えるという記事を書いた。
一方で、本当にこれをエンジニアサイドではなくビジネスで本当の意味で使いこなしている人はまだまだ少ないのではないか?自分もその一人である。結局ObsidianもCursorも使うが、正直notionAIでデータで貯めてアウトプットしてもらうほうが簡単だなと思って、そちらにオペレーションはうつしている。
ビジネス職におけるCuror的なものが2026年より流行るのかもしれないし、それはClaudeなどのようなものがとっていくのか、もしくはmemのようなメモAIサービスから拡張していくのか、もしくは現状のようにSIer的なAIerのような企業がとっていくのか。このあたりのDegital Delegationの実装が誰がどのように行なっていくのか。これは2026年のテーマではある気がしている。
Vertical AI agent
そのDegital deligationが進むと仮定したときに汎用的なものはまだ2026年時点でどのぐらい進むのかは正直、その使い手のリテラシーなど含めて完全に普及していくことは難しいんじゃないかと思う。AI agent washみたいな言葉も後半流行るのじゃないかなとおもう(これAI agentいっているけど、全然そのコンセプトではないし、これをAI agentとよぶなよ!みたいなムーブは起きそう)
その手前である特定の分野において、AI-Agent的なものが浸透していくVerticalなサービスはより2026年は注目されていくのではないかと思う。LLMと相性がよい産業領域がどこか?みたいなのがよりみつかってくるのではないか。
それはテキストコミュニケーション・解釈が重要なところ(法務/金融/カスタマーサポートetc..)や、音声の言語化・整理が重要な業務(営業?、秘書、議事録整理、記録をとるのが仕事なもの全般)みたいなところは今見えているところだ。
その産業的にも職務的にもVerticalなAIというのは浸透していくことが期待される2026年になるのではないかとは思う。
常時録画デバイス
2025年はAI議事録ハードが多くでてきた年だったと思う。nottaやPlaudや、常時録音系のいくつかハードウェアが一部界隈で流行った気がしている。AIの起業はハードウェアを創ることから参入しても良いかもしれない / テクノロジーをどう装うかというところでも書いたが、AI時代に必要なのは実はハードウェアではないのかというのはずっと思っている。LLMの中身の良し悪しはあるのだろうが、一般ユーザーからすると技術が進めば進むほど誤差になってくる気がする。そうしときに大事なのはブランドであり存在感である。その意味においてハードウェアは重要になってくる気がしている。
OpenAIがペン型のデバイスを開発しているニュースを聞いたが、そういったハードの競争が2020年後半、2030年ぐらいまで繰り広げられるのではないかと思う。スマートフォンのリプレイスではない気が個人的にはしている。
そういったハードで2026年注目したいのは常時録画AIデバイスみたいなのがどのぐらい浸透していくことができるかだ。新しいインターネットの山内さんが、SaveClipをつくったり、海外でもメガネ型のデバイスなど含めて、AIがマルチモーダルに対応したからこそ今までは音声とテキストがメインの入力だったところから、動画・画像の情報が入力に変化していくことが期待できる。そうすると先の議論のDegital deligationができる分野が変化していく気がしている、より拡張できる。
一方で録音より録画というのはよりプライバシーの問題であったり、心理的・身体的な嫌悪感や違和感というものは正直ある。そういったものがどう受け入れられるのか、もしかしたらこの感情自体がAI-naitiveな世代からするとずれてくる可能性もある(昔顔出しでインターネットすることが奇人とおもわれていたように、Zenlyが位置情報を提示しつづけるのが奇妙にみえたように)
2026年で一気に普及するかはわからないが、長期的にみると期待している未来だ。その片鱗が2026年にはいろんな形で見れる1年になるかもしれない。
AIゲーム
AIを使ってゲーム開発が楽になるという話もあるだろうが、AIの特性を活かしてゲームシステムが開発されるというのはありそうな気がしている。スマホのフリック動作をもとにパズドラやモンストがうまれたように、AIというシフトが起きたからこそのゲーム要素は想像するだけで多くある気がする。
去年末に少しバズっていた下記のようなAIにバレずに人間にお題を伝えるゲームなどはその要素があるゲームだと思うし、VaudevilleやWhere Winds meetなどNPCと自由に会話できるといったものが話題になってきている。
そういったものからAmong usのようなゲームが生まれてくる気もしている。今年はAIの要素を活かしたゲームで大ヒットコンテンツが生まれるかもしれない。インディーゲームも投資をしたいのでぜひご連絡お待ちしている。
https://www.4gamer.net/games/968/G096830/20251211051/
AI-Shopping
先にかいたDegital deligationに近いかもしれないが、AIが代わりに買い物してくれるようなものはより進みそうな気がする。これはスタートアップというかAmazonとかOpenAIとかがよりしかけてくるかもしれないが、、
そのときに一つの方向性としてあるのは意思決定コストが重くないものについて、AIに買い物を任せていく習慣はあるかもしれない。昔Dashボタンをamazonはつかっていたがそのように、日用品の補充的なものはお金の制限を設けたら勝手に買われているという世界は遠からずあるきはしている。
あとは普通すぎるアイデアだし、OpenAIのマネタイズとしても狙っているかもしれないが、Chatで相談した内容をそのままwebサイトにいかずとも購入の意思決定ができるような仕組みとかは増えそうではある。
またJust ideaすぎるが、自分はエンタメ好きだがチケット買うとか面倒だから、予算を渡したら自分に合いそうなエンターテイメント体験を毎月勝手に買って、カレンダーとかにいれておいてほしいなとか思ったりしており、そういったこと含めてAIに買ってもらう体験みたいなのは今後ふえるのではないかと思う。2026年でどこまでこの体験が増えるかはわからないが、長期的にはくる未来ではあろう。
IPにおけるAI活用
日本においても、クリエイティビティとAIは非常に現状だと水と油だ。基本的にはクリエイティブの業界からは脅威とおもわれていることが多いし、特に絵師などのコミュニティの反応をみているとおお嫌われているなと思うことが多い。でもそう感じることはある種当たり前な気もしている。
一方で、イタリアンブレインロッドみたいなのは年末にかけて自分の周辺では話題になった。(内沼さんの本の惑星参照)これを読んでいる方でお子さんをお持ちの方はまあそりゃあ流行っただろうとおもっているし、インタビューしてたらもう流行って廃れた段階にあるらしいが、ああいうAIのフリー素材みたいなコンテンツがRobloxやYouTubeというプラットフォームで加速度的に伸びていくみたいな現象は2026年もおきるのだろう。
かといってあれもいろんな問題をはらんでいるので、日本のエンタメ産業としてAIの活用の仕方についてディスカッションがすすんだほうがいいと思う。何かAIの良い面をつかったいいバズ(けんすうさんのビックリマンコラボ的な)はもっと生まれてくることを2026年期待したい。
ロボティクス×AI×コンサル/導入支援
フィジカルAI/Physical AIという言葉は昨年後半ぐらいからよく目にしたり聞いたりした言葉ではあったのではなかろうか。この理解が正しいかはわからないが前述したマルチモーダルなAI実装として、インターネットや画面の中でAIが動くだけではなく、センサーや画像で現実を見て/感じて、アクチュエータで実際に動いて、物理世界に介入することを表している。
今は認知がAIによってハックされているが、実際に身体性さえもAIによって効率化できるのではないかということではある。一方これで安直に想像できるのはロボット系ではあろうが、2026年で一気になにか変わるかというと少し悲観的かもしれないが、そこまで進まないのではないかと思う。Figure AI や Apptronikや1Xなどはそういったロボティクス領域を進めていくが莫大な資金調達が必要となってくる。
一方で日本ではMujinが昨年資金調達したように、汎用的なフィジカルAIというよりは、コンサルや導入支援とともに活用されていく事例は増える気がしている。
そのエントリーだとしたら、まだ少し日本でこの本丸に挑むというよりは、うまく大企業などと実証実験をしながら、フィジカルAI=ロボットというよりは、ロボットっぽい解釈を広げたような分野においての事業開発をおこなっていくことによってポテンシャルがある業界業態はあるのではないか。
ぱっとは倉庫業務やそういったオペレーション業務はわかりやすいが、日本においては基本的には労働力が不足していくことが決定づけられているので、さまざまな分野で長期的にはこのフィジカルAIを導入せざるを得ないところがでてくるはずだ。
一方で、正直コストだけを考えるとまだまだ人間のほうが安いという状態はしばらくつづくはずで、期待値が今高い状況だが長期トレンドの入り口にいまいるような気はしている。
Future is Local/資本主義精神と地域性
大テーマとしては最後になるが、Future is localという言葉はどこらかしこでたまに聞く言葉であり、持続可能性であり地域経済、気候変動対策などで使われている言葉である。
一方最近思うのは都市がどういう可能性をもつのかというのは気になっている。金融資本主義がすすんだ都市において未来が面白いのかというのは気になっている。インターネットサービスをやるには都会のほうが情報と人が集まりやすかったのでいまだによいのかもしれないが、例えば上記であげたCAPEXが重くなりがちなビジネスで、例えば店舗や倉庫などがより必要になってくると地方にこそ未来に対しての打ち手があるかもしれないとも思っている。また、前述した共同体感覚や場所性の回帰というトレンドからもありそうではある。
例えば、マルク・オジェ(Marc Augé)の理論で知られる「非場所(non-places)」は、スーパーモダニティの現代社会における都市空間の特徴を捉えた概念で、東京は非場所に近づいている気がしている。オジェによると、非場所は交通、商業、レジャー目的で生じ、都市の過剰な移動と情報がもたらす結果であり、これらは世界的に均質化された風景を形成していると話している。こうした空間は歴史や地域性を欠き、匿名性を強いる空間となるため、個人は一時的な利用者として振る舞い、利用者の孤独を強調していくと。
一方、”場所”は関係性、歴史、アイデンティティを育む関係者の空間で、共同体意識を生み出すと語っているように、この非場所/場所を東京/地方と言い換えても納得がいくアナロジーである気がしている。(ただ地方出身としてはその共同体であることの弊害みたいなのも多くあるので、東京が最悪地方が最高とも思えない。)
#71 インターネットの都市化と地方における多様性の芽 ~コストの安さは多様性を生む~という記事で書いたように、今年はもう少しLocalに着目して投資も考えたいし実行したい気持ちはある。例えば伝統工芸やクラフト感があるものはまだまだ日本の良さが伝わるものが沢山あるはずだ。LVMHのアワードなどをみていてもそう思う。
一方でそういった多様性と資本主義の精神というのは相反する場合がおおい。侵略体質であり、スケールをもとめる資本主義的、まあこれはVC的な特性とは相性が悪い可能性が高い。そういう意味においてもまだまだ可能性はあるのだが、VC的な概念とどのぐらい相性がよいかはわからない。
要注目テーマ
ということで大きなテーマは書いてきたがここからはある程度今までの延長のテーマで気になることについて簡単に書いていく。
・エンターテイメント全般 > AIエンタメ
まあまだ注目は集まるだろうし伸びていくだろう。自分も投資先いくつもあり頑張っている。ただややバズワードになりすぎ、変に期待値があがりすぎている感覚もある。AI系のコンシューマーエンタメの領域はだいぶ成長してきているので、2026年はなにかマスまで届くものがでてくる予感がある。(まあラブダビなど含めてある種届いているものも多いとはおもうが)
・自動運転がもたらす変化
日本はこの領域のスタートアップ少なすぎるが、技術的にはやはり2024-5年にかけてアメリカでは完全に普及していっている。日本においてもよりこれが進むだろう。そうしたときに自動運転自体のサービスを考えるよりも、自動運転ができた後の未来においてどういうことが起こり得るのか(車内エンターテイメントや、不動産価値の変化など)みたいなのを考えていきたい。
・デジタル民主主義を促進するサービス
主要各国が権威主義的な要素を見せていくなかで、民主主義の砦に日本我なる可能性がある。Pularityなどの言葉もこの数年業界的には聞くことは多いが、民主主義的な概念もアップデートが必要であろうし、それを促進していくものは求められるであろう。
・Stablecoinの普及ユースケース/リアル資産のアセット化/ローカル共同体×web3
2025年はJPYCが初の資金移動業者登録を受けて、日本円連動型のステーブルコインを発行したことは大きなニュースであっただろう。そのようなステーブルコインの普及ユースケースなどは考えていきたい。リアル資産のアセット化や送金コストの速さなどがメリットとしてはあげられるだろうが、このあたり面白いことが起こりそうな予感はある。
それこそ妄想になってしまうが、AI-Agent的な主体がStablecoinを活用して市場経済を成り立たせにいくという未来があると面白いなと思える。
またDAO的なものやweb3.0的な考え方は結構自分は好きなのだが、そういったものが自分の地元の香川県で少しプロジェクトが立ち上がったりしてきており、ある意味で大きな物語においてのweb3.0は頓挫しているように感じるが、より小さな共同体においてDAO的な概念やそういったものは広まる可能性はあるとおもっている。そういうローカルweb3.0的なものは注目したい。
・ライブ配信/会話/Podcastがよりビジネス表現としても一般的になるかも
Podcast的なムーブメントはこの数年花開いている気がする。6年前ぐらいにANRIでも実験的にやっていたし、個人的にも投資もしていたのに続けていなかったことは正直反省している。
AI時代に逆にこういうwebテキストは残念ながら読まれなくなっていく気がしている。そこへの大体としてそういったものが伸びていく予感があり、自分も年末に空気2025という12時間ライブ配信という狂気を行ってみた。今年も自分でもこういうのは仕掛けていきたい。ちなみにVlogが来る!!って5年ぐらい言い続けてきてません。もしかしたらこれもやっておいたほうがよかったなと反省するやつになるのかもしれないし、一生こないかもしれません。
年々正直仕事が忙しくなってくるとリサーチ業務の重心が減ってきており、少しおれが考える最強の投資領域みたいに、ポエムっぽいのが多くなってきているのは申し訳ないというか自分も気にしている。
もうすこしリサーチなどをして出したいという感覚もあるが、一旦これは出し続けることが重要だということで今回出させていただいた。
2026年はいろいろ自分も仕掛ける年になりそうで、健康に気をつけながらもやりきりたい。
是非今年もベンチャーキャピタル業を頑張っていきたいので、ご連絡をお増しております。お茶含めぜひ。下記SNSなどからご連絡ください。
Instagram(SNS):https://www.instagram.com/nakajish/
X(メディア):https://x.com/nakajish
メルマガは今年は結構変えていくかもしれない
ここからはnoteに書いてはないけれども、メルマガを登録いただいた方だけに書いている。いつも読んでいただきありがとうございます。こうやってメールボックスに届くことが一旦確定されているからこそこのように文章をかけている気がしてます。本当にありがとうございます。
今後も自分は文章を書いたり表現したりするのは好きなきがするので、続けていきたいのですが、その表現方法を昨年はいろいろ試した気がする。その影響もあって少しメルマガの更新頻度が後半下がっていた気がする。
その代わりにFASTFORWARDという雑誌をつくってみたり、空気2025というタイトルで12時間配信イベントをやってみたりしている。なんとなく今回の記事でも書いたが、AIシフトがすすんでいくなかで一番AIが得意なのはこういうWebの文章であるとおもう。そうしたときに、オーセンティックな感じがWebの文章から消えていく気もしている。ツルツルした文章になっていってしまうときに、ざらざら感というかリアル感をいかにつたえるかみたいなのを去年は気にしていて、だからこそ雑誌やライブ配信みたいなことをした気がしている。
なので今年もメルマガもやるが、もっと違う試みをやってみたいとおもっているのでぜひまたここでも宣伝したいので、面白がっていただけると嬉しいです。
2026年もよろしくお願いいたします!



