久々の更新となってしまいましたが、もうちょっと今後はリサーチなどの時間を録っていきたいと考えているので、こういったメルマガの更新が多くしていきたい所存(かといって、本当にできるのかは謎です)
新卒1年目のときに外部のトレーナーから言われたことが”働きだすとアウトプットの機会だけが多くなり、インプットの機会が少なくなるから意図的にインプットの機会を設けることは大事”と言われたことを思い出しますが、仕事ばかりしていると今の自分の知識だけでやってしまうことが多くなってくるので、そのようなきちんとインプットする時間をもっととっていきたいなと感じました。ということで、IVSというスタートアップのイベントで沖縄までいってきたので、それに関しての所感を書いておこうと思います。こういうイベント興味あるけど、どうだろうと思っていた方になにかヒントになれば幸いです
IVS@沖縄
こういったオフラインのイベントはこの業界にはいってあんまり参加を実はしてこなかったことが今までは参加してこなかったことが多い。正直な話をするとこういったイベント参加するくらいなら、事業や自分の仕事にフォーカスしたほうがいいのではないかと思っていた派ではある。ただ結論からいうとそれはある程度は間違いで、VCなら行ったほうが良いし、起業家ならPMFした後は結構断続的に参加する意味はあるんじゃないかと今なら思う。なぜそう感じたかと、イベントの感想を書いていこうと思う
まずはなぜ今回こういったイベントに参加しようと思ったかを書こうと思うが、それはコロナという大きな要因がある。当たり前だけどコロナによる2年半ほどの弊害の1つとしてはカジュアルな会話の場がなくなったことだ。コロナ前はオフラインのミーティングが多かったり物理オフィスでお会いすることがあったり、よく言われていることだけれども目的ありきではないミーティングや会話っていうのが行われる機会が多かった。その1つとしての飲み会なども2年間の間で失われてしまった文化だと思う
コロナによって効率化されて、家の中にいながら起業家の方々含めていろんな方とオンラインで接点をもてることができるようになり、それはこの状況変化によって生じた利点だと思う。わざわざ電車やタクシーなどで移動して時間をつかうより、非常に有意義に時間が使えるようになったと思う。一方前述したような、カジュアルな会話というのもの失われていってしまった感覚がある。これはスタートアップというエコシステムにとっては当たり前だが非常に害が強いものだと感じることが多くなってきた
その害の一番はやはり起業家同士の繋がりが希薄化していってしまったことだ。ANRIで働きシード投資をしていると、ほとんどがFirst time のEntrepreneurが多い。コロナ前からそういった起業家として活動していると、そもそもエコシステムに入っていることができているので暗黙知や情報共有が行われていることが多い。しかしこのコロナの中で起業した起業家にはまだまだエコシステムにはいっていない方が多いことを感じた。VCとしてこういっちゃあだめだが事実だとおもうのは、起業家の本当の悩みを話せるのも解決できるのも起業家同士というのが正しいと思う。そういったエコシステムの進化・深化が偉大な企業を一緒に産んでいくのではないかと考えている。そういったつながり・エコシステムがコロナで一度組成されづらくなったのではないか。これが今回IVSに参加した大きな理由である。
と遠回りしたけれども、つまりは自分自身この2年半ほど自分の投資先や、投資検討先とはよく話していたがそういった目的ありきで会話することが必要だった方々以外とのつながりが薄くなっていたことを反省し、こういったスタートアップのイベントに顔をだしてキャッチアップやはじめましてと挨拶をしていくことが、エコシステムのつなぎ役としてのVCの価値の1つじゃないのか?ひいては自分の投資先にそういった方々を紹介できるようになっていくのは自分の価値をだすためにも重要なのじゃないかと思い、参加した次第。
結論で書いたけれどもやはり言ってよかったなと思えた。特に今後いくか迷っている方にむけて、どういう人が行ったほうがよいのかの参考になれば。
資金調達を考えている起業家
まず資金調達をVCなどから考えている方は行ったほうが効率的ではあると思う。特に自分もVCをやっていて思うけれども、はじめましてで資金調達のピッチをうけるより、それ以前から存じ上げていて資金調達時にピッチをうけるとでは結構印象も違ってくる(もちろんそれだけで投資の意思決定はしないが)こういった機会はカジュアルな場で大量のVCと接点をもつには良い場だと思う。東京などにいても会おうとおもえばVCはいつでもあえるが、以前のようなイベントや飲み会などが少ない今こういったイベントであって、東京でお茶するみたいな流れは良いと思う
またこれからVCをレイズするような人たちにとっても良い場なのかもしれない。自分はこっちに関しては実体験はないが、大企業の方々含めて来られている方は最低限スタートアップに興味がある方々ばかりだと思うので、そういった方々にカジュアルにお会いできる場としては、上記と同様に貴重な場となると思う
B向けの営業を考えている起業家・チーム(特にスタートアップ向けなど)
大体こういった場にこられるかたは代表者が多い。つまり意思決定権を持っている方が多く来られている場合が多いということだ。これはつまり営業のチャンスである。資金調達も基本的には営業であると思うが、それと同様にスタートアップ向けやB向けプロダクト(Horizontal SaaSや人材系など)においては、全てがリードに見えるような良い場所なのではないかと思う。
それと同時にこういったカスタマー・クライアントの本当の声を聞ける場所としては良い場所のようにおもえる。飲みの場や立ち話の中できこえてくるインサイトは普段営業の場で聞こえてくるものとは違うのではないのだろうか。そういう意味においてもこのようなB向けの事業をやられている方にとっては良い場所のように思える
VC
ここはまあ省略するが、資金調達の場でもあるし、また他のVCの方々とカジュアルに話せる場というのもなかなかに減ってきている中では良い場であると思う。特に自分のような年次の人にとっては他のファンドのGPの方々と話せるよい機会だったと思う
PMF後の起業家
PMF後とつけたが、PMFまではあんまり資金調達以外の意味においては少し来る意味は他の方々に比べると弱いかもしれない。基本的にはその時期はクライアントやカスタマーのことだけを考えて、なんとか生き残るなんとか参入確度をみつける時期だとおもうので、あんまりこういった会合にはこなくてもよいのではないかとこれは個人的には思っている(資金調達目的は別です)
一方PMF後になってくると、組織の課題やより大きな山をどう登っていくのかについてある程度起業家にも時間ができてくる(権限移譲できてないと逆に心配)。そういったときにはこういったイベントに参加して他業界やちょっとした先輩経営者とざっくばらんに相談できたり、話せたりすることは非常に有意義なのではないかと思っている。特に組織課題などは同じようなものもでてくるし、経営者同士でないとわかりあえないことなども多いとおもうので、そういった意味においても参加することは良いことだと思う
Cryptoの熱狂
ここからはちょっとした感想になってくるけれども、今回のイベントが総じて良かったなと感じたのは全体の雰囲気が若く活気があったということで、それに寄与しているのはやはりCryptoの熱狂なのではないだろうか。会場も想定どおりCryptoのほうに人が集まっており、期待感と熱狂感があった。本会場には見知った顔が多くいらっしゃったが、クリプトは別世界だった。
そこにおいて日本の多くのVCはTokenで出資しずらいという規制があるため、非常に肩身が狭かった(個人的には)自分たちにギブできるものがないということを勝手に感じていたが、そんなことは関係なくみんなでつくっていこうよ!なぜならみんなまだわかっていないから!という会場の空気感があったように思える
クリプトのような個人が意思決定に関われるものはああいったようなオフラインのイベントと相性が良いのだろうなと改めて思えた。その熱狂こそがTokenでありNFTの価値というものを決めていくことになるのだろうから、今後この業界がどうなるかはまだ自分にはわからないがただ世の中の大きな流れとしてこういった方向性になっていく(個人が意思決定をしていく)ことは間違いないので、非常に面白いなと見ていた。誰しもが投資家になりうり、まただれしもが起業家になりうる場所としてのクリプト業界というのは、そこに金銭的欲求もまじり熱狂が生じているのだということを肌身で感じ取れた気がした。
あとは初めて登壇したのだけれども、非常に楽しくセッションできたとおもう。オフレコのことが多かったけれども、何かギブできたなら幸いという感じです。今後もこういう機会あればモデレーターは大変だけど面白いなと思えた(今回は結構歳が近い方と多くできたことが要因だとは思いますが)
ということで今回はIVSなどのスタートアップイベントに初めていってみて感じたことについての総論でした。コロナなどもちろんリスクなどはありますが、イベントとしては非常に有意義であったとおもいますし、この大規模なイベントをボランティア中心でまとめていただいたIVSチームには頭があがりません。ありがとうございました!!そしてお疲れさまでした。
今後いってみようかと考えている人にとってなにか参考になれば幸いです。
こちら最後に那覇の道端で寝ていた野良猫です。これになりたい。。